山寺は正しくは宝珠山立石寺といい、天台宗の高僧 慈覚大師が開山(八六〇年)し、
俳聖 松尾芭蕉が「せみの句」を詠んだ東北を代表する古刹。
登山口から登って一番最初にある建物 です。根本中堂は国指定重要文化財にも指定されており、その内陣には比叡山から分けた「不滅の法灯」が安置されております。「不滅の法灯」は織田信長による延暦寺焼打ちの後の延暦寺再建の際に、逆に立石寺から分けたと伝えられております。
松尾芭蕉が詠んだ有名な俳句 「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」。
その句をしたためた短冊を埋め、石塚を建てたのがせみ塚です。
ふと耳を澄ませば、静寂の中に芭蕉が聞いたせみの声が聞こえてくるかもしれません。
江戸時代後期、寛永元年(一八四八年)に再建されたけやき材の優美な門で、左右に安置された仁王像は平安時代末期から鎌倉時代初期に活躍した仏師、運慶の弟子たちの作と云われており、邪心をもつ人は登ってはいけないと睨みつけています。
五大明王を祀って天下泰平を祈る道場で、堂の舞台からの眺めは素晴らしく、山寺随一の展望台です。シンプルな建築構造ではあるが、断崖絶壁からせり出して建っており、夏季の夜間ライトアップの際には、外側から観る五大堂も幻想的な景色となっています。
芭蕉が山寺を訪れてから三〇〇年目、山形市政一〇〇年目を記念して建てられた記念館です。館内では芭蕉に関する資料の展示や、企画展などを開催しています。また付近からは山寺を一望でき、四季折々の山寺の景色を楽しむことができます。